FujiSankei Business i. 2007/4/26
英スーパー最大手テスコ傘下の食品スーパー、シートゥーネットワーク(東京都港区)は25日、「テスコ」の名前をつけた国内初の小型スーパー1号店を東京都練馬区にオープンした。外資大手スーパーが展開する大型店舗は軒並み苦戦を強いられており、コンビニエンスストアにも対抗できる小型店で生き残りを図る戦略だ。
店名は「テスコエクスプレス」。2、3号店は世田谷区の砧と松原地区への出店を決めている。来年2月までに首都圏などで最大35店の出店を目指す。
1号店の売り場面積は330平方メートルと一般的なコンビニの2、3倍程度で、通常のスーパー並みの低価格で生鮮・加工食品などを中心に取り扱う。
同日記者会見したジョン・クリスティ代表取締役兼CEO(最高経営責任者)は、「日本では立地の確保が困難なうえ、消費者は欧米と違い、毎日買い物にくる。大型店よりも歩いていける立地の良い場所での展開が有利と判断した」と述べた。
シートゥーネットワークは首都圏を中心に、主に「つるかめ」ブランドで中規模のスーパーを104店展開。テスコは2003年にシートゥーネットワークを買収して日本に進出した。テスコの完全子会社になってからも店名を維持してきたが、新しい小型スーパーはテスコが世界的な強化事業と位置づけているため、「テスコ」の名称を使用することにした。
テスコはイギリス全土のスーパー売上の中でシェアは30%だそうです。
食料品は勿論、家電や衣類、医療品なども自社ブランドを持ち通信回線にも進出しているそうです。
特にアジア地区での売上が50%を越える勢いで伸びているとのこと。
そんなスーパーがコンビニを大きくした位の店舗を出店し、毎日買物に来るお客様を対象にする事は
まさに「郷に入り手は郷に従え」日本的な考えです。
既に日本から撤退のフランスカルフールは第一号店でローラースケートで店内を走り回るパフォーマンスで話題となりましたが、世界第1位のウウォルマートを意識しすぎ、またフランス的考えが日本の消費者には受け入れられなかったようです。
やはり上記CEOが言っているまとめ買いに対する考え方が違います。
海外のまとめ買いは1週間から10日分。大型のカートに2台分は当たり前の量を食料品だけで買って行きますからね!
日本はせいぜい2~3日分。一客単価が違います。
話は変わりますがここで日本のおばかオーナーの話
日本の中小スーパーのオーナーの中にも「安くしろ安くしろ」と何でもかんでも安ければいいという考え方があります。
メーカーの同一規格品は当然比較される商品として仕方ありません。安ければ安いほど良いでしょう。
しかし生鮮品は状況が違います。
野菜なら「鮮度」「サイズ」「農薬量」「産地」などで当然価格は違います。
ところが、おばかな経営者は競合他社のチラシを見ただけで「何で当社のほうが高いんだ」とこうのたまわってしまうわけです。
当然バイヤーや担当者は「はぁ~?」ですが、これまた金魚のふんの部長クラスが「なんで安くしないんだ!」とこうくるわけです。
「あんただってわかってるだろ」と言いたいところをぐっと我慢して売価をあわせます。
当然利益はでない。出ないと「お前たちが悪い」となってしまう。
仕入先に頭を下げて単価の安いものを仕入れる→安く売れる→お客様のクレーム「品質が落ちた」と本社に電話
するとまた「いままでの商品を安く売れ!」→利益が出ない→お前たちが悪い。
流通過程でいろんな工夫をしているけれど、物流費と称して数%を物流センターで吸い上げられる。
だけどそんな事は関係ない。「GMSとは規模も物量もちがうのに~同じやり方ではとても」
あ~矛盾だらけのサラリーマン。家のローンさえ無ければ俺も・・・・・・・・・・
話をテスコに戻します。
テスコはつるかめのノウハウと柔軟な経営者の考えで1号店からの規模を100坪程度に設定し、日本の文化、習慣になじもうとしているのですが、実はもっと大きな「シミュレーション」があるそうです。
それは{超高齢化社会}の日本。
つまり他国よりものすごい勢いで高齢化が進んでいる日本のデータが、今後高齢化を迎える他の国々の戦略に繋がるというんです。
本来スーパースーパーマーケットやGMSなどに対抗する手段として「冷蔵庫替り」戦略をとってきた小型スーパー(ちょっと古いけど故伊丹十三監督 宮本信子主演 スーパーの女に出てきた位の規模)と同じ事を外資スーパーがやろうとしています。
同じやり方、同じ手法で既存スーパーが生き残れるわけありません。
視点を変えた販売をしなければ。
「こだわり」「自信」をもった商品をうらなければ。
スーパーの従業員のみなさん。お客様のと自分のために頑張ってください。
おばかなオーナーは早く経営をやめなさい!
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